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天皇の御子で、美貌と知性とすべてをかねそなえた光源氏を主人公とした、ほぼ70年にわたる物語が、この下巻で幕を閉じる。生きる悲しみや人間の業をえがきだす物語終盤をいろどるヒロイン・浮舟は庶出で下級の女。栄華に満ちた光源氏を反転させたかのような彼女がたどりつく心境は、さまざまなよろこび・かなしみもすべてはゆめまぼろしかのように、人生のはかなさを感じさせて、時代をこえてせまるリアルな声となっている。