| 1. おすすめ度 ★★★★★
| 著者はNHKのディレクターとして、犯罪被害者の人たちの実態や「全国犯罪被害者の会」の活動を取材したその内容をもとに本書を記している。
(1)犯罪被害者が置かれた状況
本書では、まず、何も悪いことをしたわけでもない普通の人がある日、犯罪にまきこまれたとたんどれだけの苦難に直面し人生がメチャクチャになってしまうかを、ある女性の体験をもとに記述している。そして、受けた傷の痛みや後遺症の苦しみだけでなく、病院への治療費支払いや生活保護認定など行政の支援体制が整っていないこと、犯人が出所してきて再び被害にあうかも知れないのに犯罪者の人権保護のため出所情報や居住地情報は教えてもらえないことなど、制度面が極めて不十分であることを記述している。
また、犯罪被害者は刑事裁判でも蚊帳の外に置かれたままであり、裁判に参加することはもちろん、情報提供さえ受けられない実態についても記述されている。
(2)法改正への運動
2000年1月に設立された「犯罪被害者の会」が地道な活動を継続することで、裁判への参加など犯罪被害者の権利を保障した法改正にまでこぎつける経過を記述している。
自ら被害にあった人や、家族を殺されたり重度障害にされた大変な立場の人たちが、自らのためにではなく、今後被害に遭う人たちのために運動を続けたわけであり、本当にすごいことだと思う。
多くのことを教えられる有益な本であり、ぜひ読むべき本だと思います。
|
|